ジャズのアドリブソロを弾く方法(全楽器対応、初級編)その4

どうもどうも〜!!
ジャズベーシスト森田哲生ですー!!
一言にアドリブの練習法と言っても、まとめて書くとあれもこれも触れとかなきゃってなってしまい、長くなってしまうものですね。笑
ついに第四弾に突入です!
まだ、その1〜その3まで見てない方は、今回の話にも続きますので是非ご覧下さい!
・ジャズのアドリブソロを弾く方法(全楽器対応、初級編)その1
・ジャズのアドリブソロを弾く方法(全楽器対応、初級編)その2
・ジャズのアドリブソロを弾く方法(全楽器対応、初級編)その3
では、本題に入りたいと思います。

今回の練習法のもう一つのメリット

実は、今回のこの練習法、ご存知だったという人もいらっしゃったかもしれません。
と言うのも、この練習法はアドリブ練習法の話題が出ると真っ先に出るのではないかと言うくらい、よく知られています。
多分ですが、教則本などで知ったと言う人より、人づてに聞いたと言う人のが多いのではないでしょうか。
しかし、一見簡単そうに見えるこの練習法ですが、先にも書いたように、しっくりくるまでには時間がかかります。
理由は色々ありますが、手段の情報だけが一人歩きしていて、より細かな事が伝わっていないのだと思います。
僕もアドリブの練習を始めたばかりの頃、この練習法を人づてに聞き実践してみたのですが、上手くいかず、早々と他の練習に移行してしまった経験があります。

この練習法には、単純にそれっぽく弾けるようになる以外に、アドリブを弾く上でとても重要な技術も身につけることができます。
それは、譜面を見ずともどこを演奏しているか、さらに発展すると知っている曲なら、メロディーを聴かずとも何の曲をやっているのかが分かるようになる事で、そのきっかけになります。

コードを意識する。

今回のイオニアンスケール、一つのスケールのみで一曲弾ききってしまうこの練習法ですが、練習を進める上で、もう一つ重要なやり方があります。
最初のうちは、その2や、その3で触れた事に意識して練習していただきたいのですが、ある程度慣れてきたら、次の段階に移行します。
それが、コードを意識する。です。
具体的なやり方を説明します。
まず、とても大事なことは譜面を見ないと言う事です。
今回の練習法ではイオニアンスケール一つで弾きれるので、譜面を見ながら今はこのコードだと意識しなくても弾くことが出来ますので、見ずにやります。
しかし、それではどこをやっているか分からなくなってしまうではないか!と声が聞こえてきそうですが、まさしくそこが大事で、譜面を見ずに、ざっくりでも、今どこをやっているのかが把握できるようになる事がとても大切です。
更に言いますと、譜面を目で追いかけてどこを演奏しているか分かっている状態と、譜面を見ずにどこを演奏しているか分かっている状態は全然違います。
譜面を見ずに演奏すると、見ている時に比べ、より流れているコードに意識が行きます。
そして、そのサウンドに出来るだけマッチする音を、音の流れを作っていく感じです。
これが、譜面を見ながらだと、コードの音に意識がいっているようで、実は、視覚からの影響を大きく受け、耳からの情報がおろそかになってしまいます。
このままこの練習法を続けても、イオニアンスケールをなぞるばかりで、いい感じにメロディーライクに弾くことはできません。
なので、譜面は見ずに演奏する事が重要になります。

どこを演奏しているか分かると言う事。

先にも述べたように、譜面を見ずに演奏していると、どこにいるのか分かるようになるトレーニングになるのですが、そこに向かうために意識していただいポイントがあります。
例えば、その2で紹介したスタンダードの中から、There will never be another you を取り上げて話しましょう。
まず、この曲の構成を見ていただきたいのですが、この手の構成の曲を通称、A-B-A-C の構成の曲と言います。
初めのコードが、inC読みで、コードE♭△7からスタートし8小節がセクションA、コードA♭△7から8小節がセクションB、また初めの8小節があり(セクションA)、セクションBの少し違うバージョンのA♭△7から8小節(終わりまで)がセクションCとなります。
意識してもらいたいポイントは、各々のセクションAに戻ってきた所(1小節目)とセクションCの8小節目のE♭△7の所です。
セクションAは、どちらもアドリブを演奏する上での”話しはじめ”等の節に当たる所です。
逆に、セクションCの8小節目は、”話を完結”させる所にもってこいの所です。
もちろん、より上級者になれば、その初めや完結すらも操作して、始まりの部分でいちいち仕切りなおしたり、完結の度に話を一度終わらせるのでは無く、コーラスとコーラスを自然に繋ぐ事が出来るようになるのですが、ひとまず、最初の段階では、この始まりと完結を意識して、始まりと完結をそれっぽく表現できる事が大切です。
なので、まずは、この始まりと完結の部分を意識して聴いてみたり、アドリブ練習をしてみてください。
そんなに膨大な時間がかからずとも、見えてくると思います。

次回は、その始まりと、完結をどのように表現したらそれっぽくなるのか、の具体例を挙げて掘り下げて行きましょう。
乞うご期待!!笑

2019.1.14

ジャズのアドリブについて

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